ポイント1：面積効果　－色は面積によって明るさが違って見える！－

　実は、色によって「その色で塗られている面積が変わるのに伴って、明るく見えたり暗く見えたりする」という現象が起こります。具体的な変化としては、明るい色だと面積が広くなるにつれて、より明るく見えます。（図①）逆に暗い色の場合、面積が大きくなるにつれて、より暗く見えます。簡単にいうと”面積が大きくなれば、色の持っている明度が強調される”ということでしょう。この点で考えてみると「サンプルの色見本や板」と「家の外壁」では面積の差が相当なものになります。なので、実際に塗装カラーとして壁に塗った場合「サンプルを見て、だいたいこんな明るさだろう」と予想していた明るさとは全く違った見え方をすることになります。

　対処法としては、明るい色の場合には希望色よりもワントーン暗めに塗ってもらう（暗い色の場合は、その反対）ということがよいかと思います。ちなみに、面積によって色の明るさが違って見えること錯覚することを面積効果と呼んでいます。

ポイント2：光源色と色相・明度・彩度　－太陽光や隣接する色によって見え方が変わる！－

　色は、室内の蛍光灯の下で見る色と、太陽光線で見る色とは、色の見え方が異なります。また光の当たり具合でも変わって見えます。図②は左上から光を当てています。同じ色でも光がよく当たるところは、より明るい色に見えますが、右下の光が当たりにくいところは、ワントーン暗い色に見えます。このように、同じ色でも光の当たり具合によって見え方が違って見えます。

　また、対比する色相・明度・彩度によっても見え方が違って見えます。同じ色でも、隣接する草木や建物等の色によって、違って見えたりします。図③のように、隣に鮮やかな色があると少しくすんで見えたり、逆に図④のように、くすんだ色や暗い色と隣り合えば実際よりも鮮やか見えます。